【ブログ】「2020」

August 24, 2016

オリンピックには、やっぱり行けそうにないな。昼過ぎから手をつけていた資料がまとまらずに椅子にもたれて、ふと思った。せっかく生きている間に自国でオリンピックがあるのに。柔道はリオに続いて全階級メダルとった。サッカーは決勝トーナメントまでは行けたけどポルトガルに負けて、もう水泳はとっくに終わったし、陸上くらいは見に行けるかなって思っていたけど。仕事が忙しい。スマホの速報と夜のハイライトだけが俺の東京オリンピック。そう、東京、東京でオリンピックがやっている。なんとなく行きたいなーって思って、結局四年間サッカーしかやらなかった東京。宇宙船みたいなビルが並ぶ東京。いま世界中のトップアスリートが集っているところに、四年前はいたんだなと思うと不思議な感じがする。あの頃はまだ国立競技場があった。新宿南口もごちゃごちゃしていた。渋谷の再開発も今より進んでいなかった。コンパクト五輪らしいけど、国立の方では何か競技やってないのだろうか。住宅街だしやってないか。小平も、もう行くことは無いのかもしれないけど、オリンピックやっているのかな、小平も、東京だけどな。玉川上水、なんどもあの橋を渡った。おいしいうどん屋によく通った。一度も行かなかった小平浴場、壊れそうなプレハブ、ぼろぼろの体育館、ぼろぼろの、シャワー…

 

 

頬がごわごわする感じがして、指でぬぐうと、砂、みたいなものがごっそりついた。砂浜の砂みたいにさらさらしてなくて、黒くていかつい。窓が開いているのかと思って外を見ると、風が、というより砂の塊が顔にぶつかってきた。視界がぼやけて、髪がごわついて、口の中がじゃりじゃりする。ここは本社の、確か6階で、さっきまでエアコンが効いていたのに。体がたまらなく熱くなってきて、腕が急に黒くなってきて、膝に土がついている感触がする。女の人が数を数える声がする。笛の音がする。そして、気づいたら走っていた。朝大ランの木の根っこに気を付けて少し飛んだら、郷土のゴール裏の芝に着地して、いつの間にか冷たい雨が降っていて、かと思ったらカンカン照りのグランドで山雅をやっている。陽が殺人的に照り付けたかと思うと、どす黒い雲が豪雨を降らせる。走る。土の上を、芝の上を、川沿いを、土手を、走る。女の人が数を読み上げる大きな声が聞こえる。泥と水をいっぱいにすって重たい靴。砂は止むどころか勢いを増し、息ができない。季節が目まぐるしく変わり、砂と雨の中を、息を切らしながらひたすらに走る。そしてタイムが迫ってくる。目も開けられないまま、足元がヘドロみたいになって、それでも踏み込むと、ずるずるすべっていく。急に目の前にボールが現れては消える。泥だらけのボールに必死に触ろうと足を延ばすと、横から何かが激しくぶつかってきて、背中から転んだ。泥が背中いっぱいにつく。そのまま足から引きずり込まれて、頭から砂で埋められていく。急に雑草が伸びてきたかと思うと、トンボの大群が耳元をかすめる。泥。雨。立って走らないと。ひどく尻が痛くて、息が苦しくて胸が裂けそうだけど。立って、走らないと。そばに転がっているなにかをつかむ。ボトル? 青い、飲み口の固いボトル。握ったのに、空で空気しか出てこない、消えかけた一橋大学の文字…

 

 

起きたら汗でびっしょりだった。夢だった。同僚に鼻で笑われた。でもまだ、髪が砂でごわつく感じとか、リアルに感じる。引退してからこんな風にあの四年間を思い出したのは初めてかもしれない。何百回と体幹をして、何千回とパスをして、そしてよくあんなに走ったものだと思う。最近忙しくてチェックできていなかったけど、今も後輩は関東を見据えてあのときよりももっと高いレベルで取り組んでいるはずだし、ブログもツイッターも見てみよう。次の夢は、二部優勝を決めたあの瞬間がいい。忘れられない10月の23日。今日みた夢のような積み重ねがあったからこそ、成し遂げられたことだから。全員の努力が実った、最高の瞬間だったから。頭がなんだかふわふわしたまま、仕事に戻る。椅子に座りなおして、キーボードに手を添えると、手のひらが少しざらざらして、まだまだ頑張れる気がした。

 

 

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